イベント入退場管理システム(全天候対応、3万人対応型)
野外会場の3万人を把握するシステム。
2013年版のシステムに続き、2015年7月28日から8月8日の期間、山口市阿知須のきらら浜にて開催されました「第23回世界スカウトジャンボリー」で利用される「入退場管理システム」を開発しご提供しました。
「世界スカウトジャンボリー」とは、世界最大の青少年運動組織「世界スカウト機構」が主催する4年に1度の世界規模のイベントです。2015年に日本で行われたこのイベントでは世界155の国と地域から約3万4千人の方が参加されました。
当社が開発したシステムは、参加者の方の安全確保とイベントの運営効率化を目的としたもので、当社のシステム開発事業部とエンベデット事業部が2013年版のシステムに引き続きタッグを組んで実現しました。
システムの概要
基本機能は、2013年版のシステムと同様で、参加者や関係スタッフ全員に参加証(非接触型ICカード)を携帯していただき、移動する際には各イベントエリアのゲートやテントなどに設置てある「3G_RFIDリーダー」(ICカード情報読み取り機器)に、カードをかざしてもらうことで入退場情報を管理するシステムです。
このシステムにより、スタッフや参加者の現在地情報や、各イベントエリアの入場者数などをほぼリアルタイムで把握することができ、現地での様々な統計情報の確認やレポート作成などを可能としました。
今回は前回よりイベントの規模が大きく期間も長いため、「3G_RFIDリーダー」は様々な改良を施し、前回の85台に150台を追加した合計235台を設置しました。
これにより、激しい混雑が予想された参加者のチェックインや、期間中の会場内移動もトラブルなく、スムーズ運営にご助力できました。
期間中、メイン会場から離れた場所にある外部会場でのイベントプログラムも開催されたことから、参加者全員の出発・帰還の確認が必要となり、各外部会場でも「3G_RFIDリーダー」によるチェックを実施されました。持ち運びが可能な独立可動設計のシステムだからこそ実現できたことだと思います。
またイベント終了後、海外から参加された方の搭乗確認としても空港で活用され、イベント開始から終了後までトータル的にサポートをさせていただきました。
現地での運営保守
イベント期間中には、落し物の持ち主の現在地情報や、特定の参加者が会場入りしているか等の情報割り出しなどの対応もありました。
また、現場で急にデータが必要になる場面もあり、その場でシステムを構築し対応したケースが多々ありました。
遠隔での対応もある程度は可能ですが、現場に担当者がいることで臨機応変な対応が可能となり、予期せぬケースが発生した場合でも様々なデータの集計が可能となりました。
また、複雑なデータの集計にも柔軟に対応でき、より質の高い統計データを提供することができました。
ハードウェア側の機能概要一覧
- 全天候稼働
- 24時間4週間連続独立稼働(2013年版の倍)
- ICカード情報読み取り機能
- 情報蓄積機能
- 単1電池稼働
- 情報アップロード機能(3G回線通信)
- 情報アップロード周期変更機能(2015年版追加機能)
- 遠隔電源ON/OFF機能(2015年版追加機能)
- 自己診断機能(2015年版追加機能)
- 合計235台製造・設置
当システムは2013年版、2015年版ともに、設計から開発・組立まで、すべてを内製にて行っているため、ニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが可能となりました。
使用した主なスキル
- Java EE
- Windows Server 2012
- 回路設計
- 基板設計
- C言語
- 独自プロトコルスタック開発(AT/PPP/IP/DHCP/TCP)
- SOAP over HTTP
- RFID
- 3G通信
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エンベデッド&メカトロニクス事業部では、自治体・学校・中小企業・各種団体など、分野を問わず様々なモノづくりのご相談に乗っております。
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クライアント | 公益財団法人ボーイスカウト日本連盟様 |
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サービス提供時期 | 2013年 |
業種 | 団体等 |