歯科用電子天秤の開発
混和比率指示機能付きデュアル計測電子天秤とは
歯科で使用される印象材(歯型などをとるときに使用する材料)の調合に特化した、電子天秤です。
アナログ天秤と同じように計量部(皿部)が2つあり、印象材の原料の粉と調合水を同時に計量することが可能です。
事前に印象材と調合水の「混和比率」を設定しておくことができ、計量中にリアルタイムで「混和比率」の数値が液晶に表示されるのが大きな特徴です。
開発範囲
上記のような機能が欲しい、というご要望をいただき、
- 基本構想 : 機構や材質、必要技術などの調査・選択・提案
- 設計 : メカ系設計/電気回路系設計/ファームウェア系設計
- 試作開発 : 当社ラボでの試作機の開発
を行いました。
当社では電子天秤自体を開発したことはありませんでしたが、当社のエンベデッド&メカトロニクス事業部長が、必要な情報の調査・取得と今までの知識と経験の応用で開発が可能ということでしたので、開発のご協力をさせていただきました。
特に難しかったこと
回路設計
高精度な計量を実現するためには低ノイズのデジタル回路と、アナログ回路(連続的に変化する電気信号を処理する電子回路)が必要です。
これを実現するための使用技術の選択と様々な情報と技術が必要です。
FEMによる起歪体設計
FEMとは数値解析の一種で、ある対象をある要素の集合体とみなし、その要素ごとの解析を行うことで対象全体の状態を近似値として算出する解析手法です。
解析する要素を細かくすればその分精度は上がりますが、情報の処理が大変になります。このバランスが重要です。
起歪体(きわいたい)とは、力が加わった時に歪みが生じる物体のことで、この歪みを電気的に取り出して数値化し、利用します。
これら二つを利用することにより、計量値を算出する設計としました。
開発を終えて
電気回路や制御工学は、当社のエンベデッド&メカトロニクスのチームが得意とする分野です。
エンベデッド&メカトロニクス事業部長の弁として、作りがいのある楽しいお仕事をいただけて嬉しかった、とのことです。
お気軽にご相談ください
エンベデッド&メカトロニクス事業部では、自治体・学校・中小企業・各種団体など、分野を問わず様々なモノづくりのご相談に乗っております。
モノづくりでお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
クライアント | 非公開 |
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サービス提供時期 | 2015年 |
業種 | 製造業 |